あおぞら保育園のチャレンジ

 

■あおぞら保育園が大切にしていること

 赤ちゃんから 6 歳までの幼児期の子どもが生活を通して成長する場所が保育園です。子 ども達の成長を大人が力を合わせて支えています。

大人が子どもに接するとき、つい自分の過去や普通を押し付けてしまうことがありま す。「自分はこうやって注意をされた」「こんなことを親から言われた」、誰もが成長過 程で経験があることです。もし、保育者が自分の過去の経験だけを頼りに個人的な感情 に流されて接すると子ども達はどうなるでしょうか。保育者によって言葉や行動、注意 の仕方などに違いが出て子ども達は混乱してしまいます。保育者の違いに応じられず、 怒られることもあるでしょう。そんな大人の無意識が、子ども達の心を傷つけてしまう こともあり得るのです。

そこで、あおぞら保育園では保育者の主観的な保育現場にしないために、保育者も子 ども達とともに成長していくための取り組みを行っています。

 

保育の現場を客観視できるよう、根拠を基に考えられる仕組みを作ることを第 1 に取 り組んでいます。乳幼児の心理学、発達心理学、脳科学などの学問知識をもとに理論的 に保育や子どもについて語ることをしています。「子ども都合」なのか「大人都合」な のか、自分たちの行動を言葉で整理し、共通の理解を深めるためです。客観的かつ学問 的な判断基準を持つことで、成長期に合わせた環境作りと教育が可能になります。クラスが変わり担任の先生が変わると不安になる子どももいます。ですが、客観的かつ学問 的な判断基準を持つ保育者がチームとなってクラスを作るあおぞら保育園では、子ども 達は不安を感じることなく次のステージに向かっていきやすくなります。

その上で、ベテラン保育者の経験則というものが意味を持つことになります。学問的 な裏付けにより保育者の経験が収束され、経験が「普通」という言葉で語られやすくな るのです。

学問と経験、どちらかの視点に偏っても保育の現場はバランスを崩します。理屈だけ でも経験だけでも、めまぐるしく変わる子ども達の成長についていくことはできないの です。そして、2 つのどちらの視点からでも「根拠」「理由」を常に考えることが重要 です。子どもの行動や言葉の一つ一つには意味があって理由があります。その理由を探 ることで、子どもにとってベストな環境や対応を作ることが可能になるのです。

 

1 歳児クラスから、友達のおもちゃを取るトラブルが多いと報告がありました。発達上の視点から理由を探ると、1歳児は「わたし」「あなた」という自己と他者の認識が 形成される前段階なので、「私のもの」「あなたのもの」という概念が理解できない月齢 と考えられます。そのため、「だめでしょ!」と叱ることに意味ははたしてあるのでし ょうか? この学問的な裏付けをもとにトラブルを回避するための環境を探ります。子 どもと先生が 1 対 1 でコミュニケーションがとれる配置を作り、目の前の先生と自分の おもちゃに気持ちが向かうように促す導線を作りこみます。そうすると、無駄に叱った り注意したりすることがなくなり、子どもから目を合わせて大人と関わりを持とうとす る行動が増えます。そうすることで大人にも余裕ができるのです。

 

「なんでそうなるんだろう」「どうしてだろう」と常に根拠を考え、言葉にして整理 することで、保育の質が向上していきます。

 

■あおぞら保育園の子ども達を育てること -子どもには心と身体の両方の成長の場が必要です。

1 歳半過ぎの子どもは、イタズラや言葉の理解が増える時期なので手で触れたり自由 にモノを選べる刺激的な環境が必要になります。子ども達が伸び伸びと育つためには、 日々の暮らしの中で自然に遊びを選択できる自由な空間とその遊びを最後まで見守っ てくれる大人の存在がとても必要です。また、喜怒哀楽をしっかり感じとり、言葉で気 持ちをくみ取ってくれる大人の存在があることで子どもが精神的に満たされ、豊かな情 感を育くんでいきます。そういったことを積み重ね、楽しむこと、我慢することを身体 で覚え、発散・抑制のコントロールを子ども自身ができるようになっていきます。日常 環境の中に場面を作り、任せること、褒めることをバランスよく取り入れます。そして、

同じことを何回も繰り返すことで脳神経をつなげて活発化させていきます。小さなプロ セスが発達の過程を支えていくのです。

-保育園時代をどう過ごすかで未来が変わりますか?

だいたい 6 歳までに人間関係や折り合いのつけ方などのベースができる子どもが多いです。保育園でクリアしている子どもは、バランス力もあり小学校にあがってもリー ダーシップをとれるでしょう。保育園で「楽しい」と感じながら物事に取り組める子ど もは、この先どこにいっても自分で目標設定できるようになります。「楽しい」と言っ ても、ワイワイ騒ぐことだけではありません。自分で決めて取り組んだ小さなことが1 つできた、次もできた、と繋がることが充実した時間になり、楽しいと感じることにな ります。子どもには褒められたい、認められたいという気持ちが必ずあります。きちん と認めて評価して褒めることで子どもは自信をつけることができます。幼少期の自信は 成長の土台となり、大人社会と信頼関係を築く一歩に繋がります。