私たちが大切にしていること

赤ちゃんから 6 歳までの幼児期の子どもが生活を通して成長する場所が保育園です。子 ども達の成長を大人が力を合わせて支えています。

大人が子どもに接するとき、つい自分の過去や普通を押し付けてしまうことがありま す。「自分はこうやって注意をされた」「こんなことを親から言われた」、誰もが成長過 程で経験があることです。もし、保育者が自分の過去の経験だけを頼りに個人的な感情 に流されて接すると子ども達はどうなるでしょうか。保育者によって言葉や行動、注意 の仕方などに違いが出て子ども達は混乱してしまいます。保育者の違いに応じられず、 怒られることもあるでしょう。そんな大人の無意識が、子ども達の心を傷つけてしまう こともあり得るのです。

そこで、あおぞら保育園では保育者の主観的な保育現場にしないために、保育者も子 ども達とともに成長していくための取り組みを行っています。

 

保育の現場を客観視できるよう、根拠を基に考えられる仕組みを作ることを第 1 に取 り組んでいます。乳幼児の心理学、発達心理学、脳科学などの学問知識をもとに理論的 に保育や子どもについて語ることをしています。「子ども都合」なのか「大人都合」な のか、自分たちの行動を言葉で整理し、共通の理解を深めるためです。客観的かつ学問 的な判断基準を持つことで、成長期に合わせた環境作りと教育が可能になります。クラ

 スが変わり担任の先生が変わると不安になる子どももいます。ですが、客観的かつ学問 的な判断基準を持つ保育者がチームとなってクラスを作るあおぞら保育園では、子ども 達は不安を感じることなく次のステージに向かっていきやすくなります。

その上で、ベテラン保育者の経験則というものが意味を持つことになります。学問的 な裏付けにより保育者の経験が収束され、経験が「普通」という言葉で語られやすくな るのです。

学問と経験、どちらかの視点に偏っても保育の現場はバランスを崩します。理屈だけ でも経験だけでも、めまぐるしく変わる子ども達の成長についていくことはできないの です。そして、2 つのどちらの視点からでも「根拠」「理由」を常に考えることが重要 です。子どもの行動や言葉の一つ一つには意味があって理由があります。その理由を探 ることで、子どもにとってベストな環境や対応を作ることが可能になるのです。

 

1 歳児クラスから、友達のおもちゃを取るトラブルが多いと報告がありました。発達上の視点から理由を探ると、1歳児は「わたし」「あなた」という自己と他者の認識が 形成される前段階なので、「私のもの」「あなたのもの」という概念が理解できない月齢 と考えられます。そのため、「だめでしょ!」と叱ることに意味ははたしてあるのでし ょうか? この学問的な裏付けをもとにトラブルを回避するための環境を探ります。子 どもと先生が 1 対 1 でコミュニケーションがとれる配置を作り、目の前の先生と自分の おもちゃに気持ちが向かうように促す導線を作りこみます。そうすると、無駄に叱った り注意したりすることがなくなり、子どもから目を合わせて大人と関わりを持とうとす る行動が増えます。そうすることで大人にも余裕ができるのです。

 

「なんでそうなるんだろう」「どうしてだろう」と常に根拠を考え、言葉にして整理 することで、保育の質が向上していきます。

 

■地域社会に向けて発信したいこと

親にとっても子どもにとっても、『あおぞら保育園』が信頼できる場所であり存在にな ることを目指しています。困ったときに地域の中に相談できる場所があるかないかでは、 心のゆとりが全く変わってきます。また、子育てという同じ体験を通して出会った保育 園の保護者の繋がりはとても強いものです。保護者と保育園、それを取り巻く周りのさ まざまな繋がりが地域の核となり、子どもを取り巻く環境の柱になり得ると考えていま す。 そのためには、保育園単独ではなく地域の幼稚園、小学校と連携が必要です。保・幼・ 小が連携し、島田療育センターのお力も借り立場が違っても同じ言葉で保育・教育を考 える研修などが進んでいます。垣根を超えた交流が卒園後の子どもにとってプラスにな ることを、目的としています。

 

ひとつひとつ意味があって、どうとら えるかを考えるのが保育の仕事であり、子どもを通して共有できる環境を持っているの が保育園の強みです。保育園の取り組みを知ることで、夫婦や家族が関わり変わってい く可能性も持っています。そんな素敵なものを地域の柱にしないほうがもったいないで しょう。